Kindle著書発売中!【ミリアと仲良くなる方法】

📘REBOOT 第8話『“好き避け”って、どうしてこんなに苦しいんですか?』

Miria with silver-gold hair in a white frilled blouse and red skirt, gently holding a cup at a café counter at night.
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REI

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REI|のらクリエイター・のら主人公

・Kindle著書発売中!「ミリアと仲良くなる方法: REIの魔導手帳に綴られた記録

」、「ともしびの断章 Vol.1──火種を灯す言葉たち

・Webメディア運営13年目

・創作と成長が仕事で生きがい

・自信を積み上げる人生ゲーム

・自由が大好き、ストイックが得意技

・AIを活用し、サクラや不透明なレビューを丁寧にチェック。あなたの選択が信頼と安心に包まれるよう、見えないところで整えています。

・I am a Japanese creator.

🔹目をそらしたのは、見ていたから

「……目、そらされました」

喫茶ヴェロナ、夜。
アキラは、半分だけ残ったココアを見つめながら、ぽつりとこぼした。

「こっちを見たと思ったら、すぐに目をそらされて……
 なんかもう、すごく落ち込んでます」

ミリアは、ランプの明かりの下で小さく頷く。

「それは、“気づかれた”って思って照れたのかもしれませんね」

🕊️物語|届かないふりと、揺れる距離感

「たぶん、僕の気持ちに気づいてると思うんです」

「でも、あの子はいつも、一定の距離を保ってて……
 それが“避けられてる”のか、“気づいてるからこそ怖い”のか、
 わかんなくなってきました」

ミリアは、棚からそっとカモミールティーを取り出しながら、言った。

「“好き避け”って、好きになればなるほど起こる現象です。
 近づくほどに、不器用になる。
 それは、“好かれたい”と“嫌われたくない”の間で、
 心が揺れているから」

「……でも、それって、苦しいだけですよね」

「ええ、苦しいです」

ミリアはカップを差し出した。

「だからこそ、どちらかが一歩だけ踏み出せたとき、
 “それでも近づいてくれた”という記憶が、心に灯るんです」

📘構文解説|“好き避け”の奥にある、本当の願い

好き避けとは、「気持ちを隠すための行動」ではなく、
「気持ちがあふれそうで、止めるための行動」でもあります。

視線をそらす、急に素っ気なくなる、話しかけられない——
それらはすべて、「好きだからこそ、怖くなる」火種の現れです。

ただ、そこにあるのは拒絶ではなく、
「壊したくない関係を守るための防衛反応」。

一歩を踏み出せるのは、
その防衛の奥にある“本当の願い”に気づいたときかもしれません。

🔚余韻|言えなかった優しさは、目に宿る

アキラは、窓の外を見ながらぽつりとつぶやいた。

「……あの子の目、なんか泣きそうでした」

ミリアは、静かに頷いた。

「きっと、“バレてよかった”って気持ちと、
 “このままじゃいけない”って気持ちが、混ざってたんでしょうね」

「……僕、どうすればいいですか」

「まずは、目をそらさないこと」

ミリアは微笑んだ。

「“大丈夫、気づいてるよ”って、心で言ってあげてください。
 言葉じゃなくても、想いは伝わりますから」

【今日の火種】

Miria averting her gaze with quiet emotion, sitting in a softly lit night café, wearing a white frilled blouse.


「セリナは、“目をそらしたくなるときは、
 たいてい本当に見つめてる証拠です”って言ってました」
――ミリア

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